1人の浪人として幕末を生きる
『Rise of the Ronin(ライズオブローニン)』クリアしました。
発売日当日から始め、90時間以上かけ、しっかり遊ばせてもらいました。完クリとは言えない状態なので、まだまだ遊ぶつもりですが、とりあえず今この感動を伝えたいのでご紹介させていただきます。
基本情報は下記のとおりです。
タイトル:Rise of the Ronin(ライズオブローニン)
ハード :PS5
発売日 :2024年3月22日(金)
価格 :8,980円
開発は、コーエーテクモゲームスの『Team NINJA(チームニンジャ)』と呼ばれているところです。『仁王』や『Wo Long』などを手掛けているチームですね。
まず一言でお伝えさせていただくと、めちゃめちゃ面白かったです。
『ゴースト・オブ・ツシマ』が大好きだったので、オープンワールドのサムライアクションゲームってことで、もう発表時点で買うと決めていたんですが、本当に買ってよかったです。
実際プレイしてみると、最初は正直なところ、グラフィックや展開含めてちょっとチープなツシマかなぁという印象だったのですが、やっていくうちにどんどん面白くなっていき、ツシマとはまた違う楽しさがあって、いつの間にやらドハマリしていました。やめ時を失い、あっという間に時間が溶けます。
これはもうぜひプレイしてみてもらいたいです!
ライズオブローニンってどんなゲーム?
『ライズオブローニン』は、江戸時代末期……いわゆる“幕末”の日本を舞台とした、和風オープンワールドアクションゲームです。アクションの難易度はやや高めですが、死にゲーと呼べるほどバサバサやられるわけではありません。「ゴリ押しは可能だが連打で勝てるほど甘くない」ってところです。
開始後わりとすぐに自由に動けるようになりますが、ストーリーやキャラクターはしっかり用意されています。
プロローグ
1863年、日本。徳川幕府による治世が始まってから300年、突然現れた黒船によって日本は混乱の渦に呑まれた。戦乱、疫病、政情不安による混乱の最中、名もなき浪人が己の道を切り開く。
──プレイステーション タイトル紹介ページより──
プレイヤーの分身となる主人公は、倒幕を目論む“黒洲藩”が秘密裏に育てていた二人一組の生ける兵器「隠し刀」の内の一振り。「片割れ」たるもう一振りとは同郷で、幼い頃に幕府隠密によって村を焼き払われ、家族を失ったところを共に「研士」に拾われて、「隠し刀」として生きることとなった身です。
“二人で一対”の「隠し刀」は強い因縁で結ばれており、「片割れ」は友であり、同士であり、家族であり、きょうだいのような者でもある、かけがえのない相棒でした。……ところが、二人は離れ離れになってしまいます。
密書奪取とペリー暗殺の任のために潜入した黒船で思わぬ強敵に阻まれ、窮地に追い込まれることになるのです。片割れが囮になることで、主人公はからくも逃げ延びましたが……、どれほど待っても、片割れが戻ってくることはありませんでした。
しかし、「片割れはきっと生きている……」再び相見えるため、主人公は黒洲を旅立つことを決意します。
戦闘
とで攻撃、で回避、でジャンプのスタンダードな操作です。ガードとパリィもあります。
戦う相手は主に人、ときどき猪や野犬といった獣です。大人数をばっさばさ斬って捨てていく無双系な戦闘とは異なり、基本的には1対1、多くても3対3くらいの戦いとなります。暗殺もできます。
武器は結構種類があって、自分の好みに合わせて自由に選べます。異国との交流が進んでいる時代なだけに、刀や薙刀といった定番な和風武器だけでなく、牛尾刀やサーベル、銃剣などもあります。遠距離武器も豊富で、手裏剣、長弓、短銃、長銃、火炎放射器……となかなかのラインナップ。
投げ放題ってわけにはいきませんが、爆弾もぶん投げられます。
レベルとスキル
プレイヤーキャラクターにはレベルの概念があり、レベルが上がると体力・攻撃力・防御力といった能力値が上がる他、「能力ポイント」というものを獲得できます。能力ポイントはスキル獲得に使用します。いわゆるスキルツリー式で、好きな能力を伸ばしていくことができます。
ハクスラ要素
このゲームは、武器・防具・装飾品を自由に組み合わせることができて、装備しているものによって見た目も変わります。
装備品は、主に敵撃破時のドロップ、ミッションクリア報酬、宝箱で獲得できるのですが、とにかくたっぷり入手できてランダム要素が強いです。同じ装備品でも能力値や付加されているスキルが異なっているため、より強いものを手に入れては替え、手に入れては替え……を繰り返すハクスラ仕様となっています。
揃え効果もあるのでこだわり始めると終わりません。そこがまた楽しいんですけどね。
オープンワールド
このゲームは、いわゆるオープンワールドです。初っ端から、マップの端から端まで自由に探索できます。
もちろんファストトラベル完備、馬や鉤縄、滑空機能もあります。
マップの表示や収集物の配置なんかは、『ゴースト・オブ・ツシマ』や『Horizon』っぽいので、そのあたりをプレイしているととっつきやすいと思います。
キャラクターメイク
もはや当たり前のようにあるキャラクターメイク機能。このゲームにもあります。
主人公と片割れの両方を、自分好みに変更できます。性別も変更可能で、男女の組み合わせはもちろん、どちらも女、どちらも男も可能です。
なかなか自由度高めに調整できますが、デフォルトもかなり良い感じなので、そのまま始めるのも全然アリだと思います。
恋愛要素
このゲームには、なんと恋愛要素が存在します。「ロマンス要素」なんて呼ばれていたりもしますが、一部の偉人と、結構しっかり目に“恋仲”になることができちゃうのです。
さすがはネオロマンスゲームも手掛けているコーエーテクモさんとでも言うべきでしょうか、台詞や展開・演出がかなりそれっぽく感じます。
恋仲になった“後”のイベントもあるという本格ぶり。
バチバチのアクションゲームで歴史上の偉人に口説かれるという稀有な体験ができるのも、『ライズオブローニン』ならではかもしれません。
このロマンスシステムは、事前情報で全く出ていなかった(と思う)ので、本当にプレイして初めて知ったのですが、かなり衝撃的だったので、感想含めそのうち別記事にまとめようと思います。
ライスオブローニンの良いところ
登場人物が魅力的
これはもう間違いありません。“幕末”は、日本人が日本史で最も好きであると言っても過言ではないくらい人気の時代です。激動の時代なだけあり、坂本龍馬を筆頭に、討幕派の桂小五郎、高杉晋作、佐幕派は井伊直弼や勝海舟、福沢諭吉、新撰組、薩摩藩の西郷隆盛や篤姫など、日本人なら絶対知っているような偉人がわんさと登場します。
さすがのジャパニーズゲームクオリティってことで美男美女揃いですし、ちゃんと全員歴史背景に見合った個性があり、がっつりフルボイスで喋ってくれて、主人公ともしっかり関わるので、もう好きにならざるを得ない。そもそもこの辺りの歴史上の偉人が好き!って人も多いですよね。
かなり配慮されている
最近は様々なオープンワールドゲームが出てきていますが、その中でもこの『ライズオブローニン』は、快適に遊べるよう、かなり配慮されて作られているように感じます。
移動が早くなる馬は最序盤でもらえますし、滑空するための道具もかなり早い段階で入手できます。鉤爪にいたっては最初から所持していますし、当然のようにファストトラベル機能もあります。
馬の操作は自分が過去やったゲームの中でも一番じゃないかなというくらい扱いやすいです。
定番の収集要素の配置についても、動線がしっかりしていて、多少悩むことはあっても、「誰がわかるんじゃい!」と憤るような理不尽なものはありません。
また、本作はプレイヤーの選択によって物語の展開が変わることが多々あるのですが、“別の選択肢を選んでいた場合どうなるのか”も簡単に変えることができるようになっています。周回する必要なく、過去のイベントを何度でも体験できますし、挿入されるムービーもいつでも見返せます。ちなみに、オンライン状態だと、他のプレイヤーたちがどのくらいその選択肢を選んだのか、割合を知ることができます。
その他、主人公と片割れの見た目をいつでも変更できたり、いわゆる「重ね着」機能と呼ばれる実際の装備と見た目の装備を別にする機能があったり、ショップでは倉庫のものも売り払えたり、その場で時間帯を変更できたり……と、本当にいたれりつくせり。
プレイヤー側のことをすごく考えて作ってくれていると思います。
アクションが楽しい
アクションがめっちゃ楽しいです。無双系のように軽くて派手なわけではなく、ツシマほど堅くはない感じです。魔術と信仰なしのエルデンリングぐらいでしょうか。
基本的には、石火(パリィ)を狙ってカウンターして、相手の気力(スタミナ)を削り、チャンスと見るや武技(スキル)をかまして、追い討ちかけてトドメをキメるって戦い方をします。……もっとも、なかなかそう上手くはいかず、ゴリ押しで倒しちゃうことも多いのですが……。上手くハマると無傷でカッコよく倒せて最高に気持ち良いのです。
武器種が豊富な上、流派でモーションも変わるので、いろんな戦い方を楽しめます。
流派は武器ごとに3つまでセットすることができ、戦闘中に斬りかかりながらシームレスに切り替えることが可能。相手に合わせてさっと変えられるのはとても便利で楽しいです。
観光も楽しい
舞台が日本なので、見覚えのある場所が多数登場します。位置関係もほぼほぼ一緒なので、ちょっとした観光が楽しめちゃいます。
そして猫と犬がめっちゃかわいいです。
気になる点
歴史を改変できるわけではない
物語は基本的には一本道です。途中で多少展開を変えることはできても、大きく改竄することはできません。安政の大獄も、桜田門外の変も、避けることはできません。その中で、主要な登場“キャラクター”として、長いこと関わっていた人物が史実どおりに亡くなってしまうこともあります。
主人公はあくまで一浪人。歴史という大きな物語の奔流に巻き込まれ、もがく一人の人間でしかありません。どれだけ強くても、どれだけ働きかけても、歴史を変えることはできないのです。
当然と言えば当然ですし、これはこのゲームに限らず全ての物語を持つコンテンツに言えることですが……、好きなキャラクターが死んでしまうのは、単純に悲しいです。
ただ、中には、史実ではこの時期に死んでしまうけど、主人公の働きによって生存するような人物も存在するので、そこは少し救われます。
物語は薄め
歴史をなぞっているので、ここに文句をつけるのはお門違いやもしれませんが、目まぐるしく変わる展開!ドラマチックな事件!衝撃のラスト!……のような、激しく感情を揺さぶられるような構成ではないと思います。もちろん、場面場面で、感動したり、悲しくなったり、驚いたりすることはありますが、一本の物語としては、わりと淡々とややダイジェスト気味に進みます。
アクションが難しい
良い点としても挙げたアクションですが、合わない人は合わないだろう、という感じがしました。
このゲームのアクションは、斬って避けてをひたすら繰り返したり、斜め後ろを位置取ったり、特定の行動を3回ほどこなせばやっつけられるような類の戦闘ではありません。石火(パリィ)と、気力(スタミナ)管理がかなり重要で、相手の動きと自分のステータスを見ながら戦うことに慣れていないと、その辺にいるちょっと強い敵にあっという間にやられてしまいます。
レベルの概念があり、装備品の強化もあり、バフ・デバフの道具も豊富にあるので、全然ゴリ押しはできるのですが、無強化で突っ込むと「こいつ勝てない!ずるい!むかつく!」みたいな状況になりかねません。どうにも上手くできないなと感じたら、難易度を下げるという選択肢も視野に入れる必要があります。
グラフィックについて
最初にも少し触れましたが、ややチープな印象はあります。最新の超美麗グラフィック、とは言えないと思います。プレイしているうちに別に気にならなくなりますし、自分はあまりこだわる方ではありませんが、それでも最初は「うーん……」と感じたので、気になる方は気になるかと。
ただ、その甲斐あってか、全然カクつきませんし、読み込みも早いです。描画を「レイトレーシング」、フレームレート上限「なし」でプレイしていますが、快適にプレイできています。市中など、オブジェクトの多い場所ではさすがにfpsが落ちてるなって感じがしますが、ガックガクでまともにプレイできない……みたいな状態には、今のところ一度もなったことがないです。
気になる点で挙げておいてなんですが、グラフィックだけで忌避するにはもったいないと思います。
まとめ、全体的な感想
とにかくめちゃくちゃ面白いです。
『ゴースト・オブ・ツシマ』が好きな方や、パリィ重視のアクションゲームが好きな方は絶対楽しめます。
時代背景と登場人物もとてもよかったです。結構史実通りっぽいので歴史の勉強にもなりますし、なにより、名前を聞いたことがある偉人が登場するとテンションが上がっちゃいますね。「福沢諭吉だーーー!?」とか「新撰組きたーーー!!」とか「将軍かよォォォォォ」とかは時代劇系ならではと言えます。最高でした。
ロマンス要素に関しては、アクションゲームにしてはかなり盛り込んでいると思いますが、あくまでおまけなので、乙女ゲー・ギャルゲーといった恋愛ゲームのようにとらえるのは微妙です。
ゴリゴリのアクションゲームなので、さすがにアクションゲームが好きじゃない人にはおすすめし難いですが、アクションが好き……特に刀で戦う和風アクションが好きな人には、ぜひおすすめしたい一作です。