『Pokémon Sleep』配信開始!
各メディアで取り上げられ、今話題になっている、睡眠と連動するゲーム『Pokémon Sleep』。
もともと2020年に配信予定だったらしいのですが、3年もの延期を経て、2023年7月20日 (木) 、ついにリリースされました。
ポケモンだし、話題だし、睡眠アプリをちょうど探していたし、というこで、さっそく試してみました。
とりあえず3回ほど計測してみたので、実際使ってみた感想を交えて、計測できる項目や課金要素、ゲーム部分などについてご紹介します。
どんなアプリ?
一言でお伝えするなら、ポケモンの収集要素を取り入れた睡眠計測アプリです。
基本的には、寝て起きたときにゲームが進行します。
日々の睡眠を計測しつつ、ポケモンの寝顔図鑑完成を目指します。
ゲームの流れ
1. ねむりの約束
まずは、「就寝の目標時刻」を設定します。
相棒のポケモンと「この時間に一緒に寝ようね」と「ねむりの約束」をするのです。
ここで設定した時間の前後30分以内に睡眠計測を開始すれば、「ごほうび」を獲得することができます。
(23:00
に設定した場合、22:30 〜 23:30
の間に計測を開始すればOK)
この「就寝の目標時刻」は後から変更することが可能ですが、変更すると「ごほうびスタンプカード」のスタンプがリセットされてしまいます。明日休みかどうかに関わらず、毎日決めた時間に寝ましょう、ということなんですね。
2. 就寝 / 計測
「就寝の目標時刻」を設定したら、「睡眠計測を開始する」(チュートリアル終了後は「ねむる」)をタップして、カビゴンと相棒ポケモンと一緒に就寝します。昼寝(仮眠)でも構いませんが、1時間30分以上計測しないと記録として残りません。また、睡眠計測ができるのは1日2回までです。
3. 起床 / 睡眠レポートとねむけパワーの表示
寝て起きたら、「計測を終了する」をタップして計測を終えます。
すると、今回計測した睡眠の記録が保存され、「睡眠レポート」が表示されます。
睡眠レポートで見ることのできる項目について詳しくは後述しますが、何時間寝たのか、何分で寝ついたのか、浅い睡眠・深い睡眠がどのくらいあったのか、などを確認することができます。寝ている間に発生した物音も録音されているので、自分がどのくらい“いびき”をかいていたかなども知ることができます。
さらに、ここで「ねむけパワー」の結果も表示されます。「ねむけパワー」とは、ポケモンスリープ独自のスコア。一緒に眠ってくれたカビゴンの育ち具合と睡眠時間から算出されます。この「ねむけパワー」が大きければ大きいほど、ポケモンの寝顔を集めやすくなります。
4. リサーチ
最後に、このアプリのゲーム部分「リサーチ」を行います。
カビゴンの「ねむけパワー」に誘われて眠りにやってきたポケモンたちの寝顔を図鑑に記録します。
以上がこのゲームの基本的な流れです。
計測・記録される項目
「睡眠レポート」にまとめてもらえるデータは下記の通りです。
- 睡眠スコア
- 睡眠時間
- 就寝時刻
- 起床時刻
- 眠りの深さの推移のグラフ
- 音声記録のグラフ
- 寝つくまでにかかった時間
- うとうとの時間
- すやすやの時間
- ぐっすりの時間
- 録音データ
「睡眠スコア」は、睡眠時間の長さによって決まります。8時間30分以上で100点満点となり、それより短いとスコアが減っていきます。
「録音データ」は、一定以上の音量を検出した録音データを最大10件、1件につき最大10秒ほど記録してくれます。録音された音声データは次の睡眠計測時もしくは24時間経過後に削除されます。
また、1日分の睡眠データを閲覧できる「睡眠レポート」とは別に、「睡眠の統計」も確認することができます。そちらで見ることのできる項目は以下の通りです。
- 睡眠時間の合計
- 1日あたりの平均睡眠スコア
- 1日あたりの平均睡眠時間
- 寝つくまでの平均時間
- 睡眠の回数
- 起床する時間帯
- 就寝する時間帯
- 曜日ごとの平均睡眠時間
こちらの統計データは、記録自体は無制限に行ってくれるようですが、閲覧できるのは30日分だけです。全てを閲覧するためには、後述する課金要素「プレミアムパス」の購入が必要になります。
ゲームの部分について
リサーチ
このゲームの目的は、ポケモンの寝顔図鑑を完成させることです。
ポケモンの寝顔は「リサーチ」を行うことで収集できます。カビゴンの眠りに誘われてやってきたポケモンたちの寝顔の写真を撮影し、図鑑を埋めていきます。
「リサーチ」は睡眠計測後、すなわち寝て起きたときに行うものなので、基本的には1日1回しかできません。リサーチで出現するポケモンは、その日の「睡眠タイプ」によって変わり、何匹集まってくるか(おそらく最大8匹)・レアな寝顔が出るかは「ねむけパワー」の大きさによって決まります。「ねむけパワー」はカビゴンの育ち具合と睡眠時間から算出されます。
ポケモンの写真を撮るだけでゲットしたり育てたりはできないのかな? と思いきや、「おやつタイム」で仲良くなって仲間にすることができます。
おやつタイム
リサーチを終えると、「おやつタイム」に突入します。カビゴンの周りにやってきたポケモンたちに「サブレ」をあげて、「フレンドポイント」を上げることができます。「フレンドポイント」を最大まで高めると、そのポケモンが仲間になってくれます。
「サブレ」はゲーム内のショップや交換所で交換できるほか、1日1つ「ボーナスサブレ」をもらえます。
仲間になったポケモンを育てる
もちろん、仲間になったポケモンを育てることもできます。仲間になったポケモンたちは研究のお手伝いをしてくれるので、強いポケモンがいるほど研究がはかどります。研究のお手伝いとは、「きのみ」や「食材」の収集。カビゴンを育てるために必要な「きのみ」や料理に使用する「食材」を集めてきてくれます。
ポケモンによって集めてくれる「きのみ」や「食材」は異なります。また、「メインスキル」や「サブスキル」、「せいかく」によって収集効率が変わってくるので、様々なポケモンを強く育てる意義は大いにありそうです。
レベルアップに必要な「EXP」は、一緒に眠ったり、アメをあげることで獲得できます。
カビゴンを育てる
仲間になってくれたポケモンたちはもちろん、研究に協力してくれるカビゴンを育てる必要もあります。
前述のとおり、「ねむけパワー」を決定するのは、睡眠スコアとカビゴンの育ち具合です。カビゴンの育ち具合は、「カビゴンエナジー」と呼ばれる数値で表されます。カビゴンエナジーを高めるためには、「きのみ」や「料理」を与えなくてはいけません。
料理は、朝・昼・夜の1日3回作ることができます。料理にはポケモンたちが集めてくれた「食材」を使用します。
ただ、この研究に協力してくれるカビゴンは、1週間でお別れしないといけません。
ポケモンスリープの睡眠計測は、月曜日から日曜日までの1週間を1サイクルとしています。
週のあたまに研究を行うフィールドを決定し、そこに生息するカビゴンに協力してもらって、リアルタイムの1週間でリサーチを行う、という流れです。
当然ながら週の終わりに近づくほどカビゴンエナジーが高くなっているはずなので、日曜日の計測後のリサーチが、最もポケモンが集まりやすく、レアな寝顔も見つけやすくなっているというわけです。
効率良く寝顔図鑑を完成させたいのなら、カビゴンにたくさんの「きのみ」をあげて、1日3食「料理」を作ってあげて、カビゴンエナジーを高めていく必要がありそうです。そしてその「きのみ」や、料理を作るために必要な「食材」を効率良く集めるために、仲間になったポケモンたちを強く育てる必要がありそうです。
ゲームの部分は、こんなところでしょうか。
課金要素
課金要素はポケモンGOのような形です。ボックスの拡張や「おこう」「サブレ」などを「ダイヤ」で購入することができ、「ダイヤ」をリアルマネーで購入することができます。
また、「プレミアムパス」というサブスク要素もあります。1ヶ月プラン980円もしくは6ヶ月分ブラン4900円に加入することで、7つの特典を得ることができます。特典は以下の通りです。
- 睡眠データや統計機能が無制限で閲覧可能になる
- 1日1つもらえる「ボーナスサブレ」が「ボーナスサブレ+」になる
- 睡眠計測のたび1日1回100スリープポイントもらえる
- 「プレミアム交換所」が利用できるようになる
- 毎月「いいキャンプチケット」と1000スリープポイントがもらえる
- 3ヶ月ごとの継続で「ばんのうアメ」「サブスキルのたね」「ゆめのかたまりM」がもらえる
- 記録した睡眠データにメモが書けるようになる
気になる点
スマホの電池が心配になる
睡眠計測の際は、充電したまま、画面もつけたまま、伏せて枕元にスマホを置いておく必要があります。
最近のスマホは満タン状態で充電し続けても電池が弱ったりはしない“らしい”のですが、やっぱりちょっぴり心配になりますし、微々たるものとはいえ電気代も若干無駄にしているのではないか感はありますね。
こればっかりはしょうがないのですが、買ったばかりのスマホだったりすると、ちょっと抵抗があります。
睡眠スタイルを調節する難しさ
まだ数日しか試していないので、はっきり言い切ることはできませんが、
- 仕事の都合で寝る時間が変わるから絶対最後のごほうびもらえない……
- 毎日ぐっすり眠れるのにフシギダネつかまえるにはうとうと寝ないといけないの?
- 体質的にぐっすり寝られないからゼニガメゲットできないじゃん!
- 8時間30分寝るとか無理ゲー
みたいなことは起こり得るんじゃないかなぁと思います。
一応「睡眠タイプ」は、過去の自分の記録と比べて判定されるので、毎日“ぐっすり”眠れるタイプの人だとしても、“うとうと”や“すやすや”に分類されるポケモンたちと出会うことはできます。ただ、睡眠を自分で調節するのは難しいのではないかなと思うので、どうしても偏りそうな気はします。
そして現代日本人の特に社会人は、8時間30分寝るのはまあまあ厳しそうな感じがします。睡眠スコア100をとる必要はないですし、誰かと競うものでもありませんし、「睡眠時間を長めに取るようにしよう!」という健康促進的なコンセプトのゲームなので、適切な目標設定だと思いますが、人によってはかなり高いハードルになりそうです。
ある程度割り切る必要はあるんじゃないかなと思います。
全体的な感想
収集要素のゲーム部分を主と考えてしまうと、ポケモン図鑑を埋めるために“寝ないといけない”みたいなことになってしまうので、『ポケモンスリープ』は基本的には睡眠計測アプリで、ゲーム部分は睡眠のモチベーションを高めるためのプラス要素だと考えて利用した方が良いと思います。
明日が来るのが嫌だから眠りたくないなぁというときも、でも寝て起きたら新しいポケモンゲットできるかもしれない、とベッドに入る勇気を出すきっかけになってくれるかもしれません。
そしてうだうだせず、すぱっと眠りに就くのに有用だなと思いました。
いつもベッドに入ってから、漫画読んだり、ナンプレしたりソリティアしたり、ソシャゲの周回始めたり、無駄にネットサーフィンしたりしてしまっていたのですが、設定した時間の前後30分以内に計測開始しないと「ごほうび」がもらえないので、しょーがねえやめるか……ってなります。スマホを伏せて置いておかないといけないので、何もできないから寝るしかなくなるのです。
普通に睡眠計測アプリとして使えますし、基本無料ですし、ポケモンかわいいので、もし気になっていたら試してみてもいいかと思います。
さいごに
睡眠計測の際に再生することができる「睡眠導入サウンド」、ゆったりしたポケセンのBGMが流れてとっても良いのですが、欲を言うともうちょっと種類がほしいなぁなんて思ってしまいました。プリンの「うたう」とかうってつけですし、ポケモンASMRのやつみたいに、波の音とか森の音とか焚き火の音とか、そういった自然な環境音みたいなものもあるとより眠りやすくなって嬉しいですね。